香りと嗅覚と感情の深い関係


香水の匂いで、昔お付き合いしていた恋人を思い出した・・・なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、匂いは人の“感情”と深い関わり合いがあると考えられており、匂いがそれにまつわる記憶を呼び覚ますことを、専門的には「プルースト効果」と呼んでいます。

また、最新の研究では、ニオイに敏感な人ほど情緒的感受性に優れているという結果も出ています。

脳内で嗅覚を含む“五感”を司っているのが「大脳辺縁系」という部分なのですが、この「大脳辺縁系」は”感情脳”とも呼ばれ、ニオイが人の“感情”と深く結び付いているのは、その信号伝達のメカニズムが関係しています。

五感のうち、嗅覚以外の四つの感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)は、「視床下部(自律神経系を司る中枢)」を通って「大脳辺縁系」に到達するのに対し、嗅覚だけは嗅神経を通して、直接「大脳辺縁系」に情報が送られるため、感情と結びつきやすいのではと考えられています。

約6人に1人が「臭いが原因で夫婦喧嘩をしたことがある」と回答しているように、これも“匂い(嗅覚)”と“感情”が深い関係であることを表しているひとつの結果と考えられます。